人手不足を打破する介護業界の奔走

高齢化が進む中、課題となっているのが介護の担い手不足である。なかでも深刻なのが若者の介護職離れだ。介護に対しマイナスのイメージが強く、介護士を目指す学生が少なくなってきているのが現状である。どの介護施設も人材を獲得する難しさを感じているようだ。実際、約500人の職員を抱えるある介護施設は、職員の平均年齢は約45歳である。このような状況が続くようであれば、介護業界全体にとって深刻な問題といえるだろう。

介護の深刻な人手不足を解消する手立てとして、介護業界全体として、外国人の労働者を呼び込もうとしているが、日本全体で長年賃金が上がっていないことや、日本円の価値が下がっている影響で、労働者の日本離れが進んでいる。今後拡大する介護、福祉ニーズに対応するため、人材確保は急務となっているのが現状だ。

若者の介護離れを食い止めようと、企業努力している施設は多い。ある施設は、介護に対してマイナスのイメージを持つ若者や、入浴や排せつの介助に不安を感じる学生に向けて、介護の仕事を見せて具体的なイメージを持ってもらおうと、動画を作成している。実際に介護職についている若い人たちのインタビューなどを交えた動画は、若者が介護に対し良いイメージを抱く、また、現実的なイメージを持つ助けとなっている。これからの時代、幅広い人材を確保するため、介護施設もさまざまな努力をしていかなければならないであろう。介護業界全体が、待ったなしの対応を迫られている。